ことしの企業の賃金上昇率は、去年よりやや下がって4.9%になる見通しです。
雇用労働部が12日、全国の従業員100人以上の企業8835社のうち、ことし10月までに賃金交渉が妥結した企業4818社を対象に調べたところ、平均の賃金上昇率は、去年、5.3%だったのが0.4ポイント下がって4.9%でした。
部門別に見ますと、公共部門の上昇率が3.7%と、去年の4.4%に比べて0.7ポイント下がり、民間は5.0%と去年の5.3%に比べて0.3ポイント下がりました。
業種別に見ますと、鉱業、不動産賃貸業、芸術・スポーツ、余暇関連サービス業、宿泊業、飲食店業などは平均を上回りましたが、電気ガス蒸気・水道事業、建設業、教育サービス業、運輸業などは、平均を下回りました。
また企業規模別に見ますと、従業員300人以上500人未満の企業では5.3%賃金が上がりましたが、500人以上1000人未満の企業は5.0%、300人未満の企業は4.9%、1000人以上の企業が4.8%と、企業規模によって格差が出ていました。
賃上げ率が去年を下回ったことについて雇用労働部は、来年の経済成長率が低くなるという見通しが影響したものとみられる。不況で支払い余力のない使用者と物価上昇に応じた大幅な賃上げを求める労働者との開きが大きく、交渉の妥結が難しくなっていると分析しています。
賃金上昇率は、通貨危機に見舞われた1998年に最低の-2.7%となりましたが、翌年から上昇を続け2000年に7.6%とピークを記録しました。その後2001年から2008年までは4%から6%台を維持してきました。2009年はリーマンショックで再び1.7%に落ち込みましたが、2010年は4.8%と持ち直し、去年は5.3%に上昇しました。