旧ソ連時代に北韓がロシアから借りた110億ドルの債務について、ロシアと北韓は今月はじめに債務調整と返済に合意したもようです。
ロシアと北韓の関係に詳しいモスクワの消息筋は、現地時間で19日、「ロシアのストルチャク財務次官が先月31日から今月2日まで平壤(ピョンヤン)を訪問し、北韓との間で債務問題の解決に合意し、協定に署名したと聞いている」と述べました。
ロシアと北韓がどのような形で債務調整と返済に合意したかは具体的に明らかにされていません。しかし、ロシアが債務のうち相当な額を削減し、残りを北韓での共同事業にあてることで合意した可能性が高いと専門家はみています。
今回の合意の背景として、北韓は事実上債務を返済する能力がなく、ロシアに対して債務の帳消しを求めています。一方、ロシアとしては、北韓を経由して韓国に天然ガスを供給するガスパイプラインの建設や、シベリア横断鉄道と韓半島縦断鉄道を連結する構想などに北韓の協力が必要であることがあげられています。
これまでロシアと北韓の関係に障害となってきた債務問題が解決したことで、両国の間により積極的な協力関係が構築される見通しです。