北韓の外務省は9日、「韓国の李明博大統領が悪らつな挑発策動を続けているため、われわれは計画してもいない核実験や延坪島砲撃のような強硬対応措置を発生させている」という談話を発表しました。
北韓はこの談話で、李明博大統領を「逆賊」ということばで呼び、「李明博大統領一味の策動は韓半島だけでなく、北東アジアの平和と安定を害する災難をもたらしかねない」と述べました。
北韓は先月22日にも、核実験のような軍事的措置を計画していないと発表しましたが、今回の談話も核実験を行う計画がないことを間接的に表明したもので、4月の長距離ミサイル発射で中断しているアメリカとの対話を再開する考えがあることを示唆するものとして受け止められています。
北韓の長距離ミサイル発射については、国連安全保障理事会が非難声明を採択して追加的な制裁措置も決まり、事態は一段落しています。こうした中で中国は最近、2月末の米朝間の合意を履行する必要があると主張していますが、北韓の今回の談話はこうした中国の主張とも関係があるとみられています。