ウクライナでミサイル技術を盗み取ろうとした北韓のスパイ2人が、現地の保安当局に逮捕され、懲役8年の実刑判決を受けました。
ウクライナのメディアが8日、伝えたところによりますと、ベラルーシ駐在の北韓貿易代表部の職員2人が去年、ウクライナで、ロケット開発専門の国営設計事務所「ユージュノエ設計局」の職員に近づき、金銭的見返りを約束して機密文書を手に入れようとしましたが、この研究員の通報を受けてウクライナ保安当局が捜査に乗り出し、2人は現行犯で逮捕されました。
ユージュノエ設計局は、旧ソ連時代に初めて核ミサイルを開発し、射程1万1000キロ以上の戦略核ミサイル「R36M」を作った研究所です。
2人は、ミサイルの射程を大幅に伸ばせる液体燃料エンジンシステム関連の資料を手に入れようとしていたということで、北韓はアメリカ本土を射程距離とする長距離ミサイルの製造技術を確保しようという狙いがあったものとみられています。
この事件でウクライナ検察は2人をスパイ罪で起訴し、裁判所は2人にいずれも懲役8年の刑を言い渡しました。