北韓からの妨害電波により、先月28日から韓国旅客機などのGPS=全地球測位システムに障害が出ている問題で、韓国政府は北韓に対し、放送通信委員会の名義で抗議の書簡を送りました。
政府は9日、報道資料を出し、「GPSかく乱行為は有害な混信を禁止した国際電気通信連合(ITU)の憲章に違反するもので、民間航空の安全を脅かす行為だ」と述べ、北韓に対して妨害電波の発信の中止と再発防止を要請しました。
国土海洋部によりますと、これまで多くの航空機や船舶でGPS障害が確認されましたが、いずれも慣性航法装置や超短波全方向式無線標識(VOR)などを利用し、正常運航を続けているということです。
放送通信委員会は、かく乱電波が北韓の開城地域から発信されているとみて、9日午前板門店連絡事務所を通じて北韓に抗議の書簡を送りました。
北韓はかく乱電波の発信を認めていませんが、今月3日、朝鮮中央通信の論評で「アメリカは1990年代の湾岸戦争とユーゴスラビア戦争で、ヨーロッパがGPSを使えないようにいたずらをした。こうしたことが平和な時代に起これば、GPSに依存する経済部門は甚大な被害を受けるだろう」と述べており、韓国政府は、北韓がGPSかく乱を間接的に認めたとものとみています。