北韓が発信しているとみられる妨害電波による電波障害が、旅客機だけでなく西海を航行する船にも広がっています。
この妨害電波は航空機や船舶のGPS=全地球測位システムの機能をかく乱させるもので、仁川(インチョン)海洋警察署が4日、発表したところによりますと、先月28日の午前8時から翌9日の午前1時35分にかけて西海を航行する船の間で、GPSで自船の位置測定ができなくなる障害が相次ぎ、わかっただけでも122隻に影響が出ました。
この中には海洋警察の警備艇8隻も含まれているということです。
GPSが使えなくなる電波障害は、西海上空を飛ぶ航空機にも現れており、国土海洋部によりますと、先月28日から仁川空港などを利用する旅客機など400機以上が影響を受けていますが、旅客機には慣性誘導装置が主に使われていてGPSシステムは補助的に利用しているため、特別な影響は出ていないということです。
しかし小型の漁船の中には、GPSだけを頼りにしている船も少なくないため、国土海洋部は航行にあたっては、十分注意するよう呼びかけています。
国土海洋部は、すべての航空会社が閲覧できるよう先月29日、航空告示報に詳しい内容を掲載するとともに、電波が北韓から発信されている可能性を念頭において調査を進めています。