東京国立博物館が、植民地時代に日本に持ち出された可能性の高い朝鮮王室のかぶとやよろいなどを所蔵していることを公式に認めました。
日本側がこれらの文化財を朝鮮王室のものと認めたのは今回が初めてです。
東京国立博物館の関係者は23日、衆議院議員会館で開かれた韓国の市民団体との懇談会で、朝鮮王室で使われていたかぶとよろいをセットで保有していることを明らかにしました。
これらの文化財は、帝王であることを象徴する華やかな龍や鳳凰(ほうおう)の模様が描かれているのが特徴で、朝鮮王室の行事に使われたものと推定されています。韓国には朝鮮王室のよろいは残っていないため、国宝に値する貴重な文化財と評価されています。
これらの文化財は、植民地時代の日本の実業家、小倉武之助氏が収集した「小倉コレクション」のなかのひとつで、1981年に東京国立博物館に寄贈されましたが、実物は展示されずに写真だけが展示されていました。
市民団体は、これらの文化財が寄贈されたものではなく、小倉武之助氏によって盗まれたものであり、正常なルートで日本に渡ったものではないため返還を要求できるとみています。
市民団体は今後、東京国立博物館に対して特別観覧を要求するとともに、返還を求める市民運動を繰り広げる計画です。