統計庁はこのほど、3月の消費者物価上昇率が2.6%と、1年7ヶ月ぶりに2%台になったと発表しましたが、民間シンクタンクのLG経済研究所がまとめた報告書は、実際の消費者物価上昇率は1年前とほぼ同じ水準の3.2%だとしています。
この報告書は、消費物価上昇率は1年前を基準に算出したもので、石油製品や畜産物の価格は依然として上昇しているにもかかわらず、すでに去年価格が大きく上昇したために上昇率が鈍化したように見える錯視現象が作用していると指摘しました。
また、4月の総選挙を控えて、政府が3月に無償保育や無償給食などをスタートさせた他、公共料金の引き上げを先送りするなどしており、人為的に上昇率を低く抑えたことも、消費者物価上昇率が2%台になった理由の一つだとしました。
その上で、LG経済研究所は、原油の国際価格はさらに上昇するものと見られており、選挙が終われば公共料金が引き上げられる可能性もあり、物価は楽観できない状況だと指摘しています。