北韓の朝鮮労働党は、金正日（キム・ジョンイル）国防委員長が死亡した後、韓国との経済協力を進めるよう党の幹部に指示したと、日本の毎日新聞が25日、報じました。
毎日新聞が朝鮮労働党の内部文書を入手して明らかにしたところによりますと、朝鮮労働党の指導部は金正日国防委員長が死亡したあとの1月6日付けで「強盛大国づくりのための朝鮮労働党の経済路線と任務」と題した文書を党幹部らに渡したということです。
この内部文書では、韓国との関係について、「韓国との経済協力はわれわれの一貫した立場だ」とし、中断している金剛山（クムガンサン）観光については「協力の推進は北韓と韓国の共同の利益となる」と主張しているということです。
また2007年の南北首脳会談で設置されたものの、活動していない「南北経済協力共同委員会」について、「活動正常化のための対策が必要だ」と訴えているということです。
一方、中国については「中国の存在は、北韓にとって非常に有利であるにもかかわらず、北韓の経済発展には根本的な役割を果たしていない。北韓の経済発展のために研究し国益を優先する原則を守らなければならない」とし、今後、中国との経済協力関係を見直すことを示唆しています。
これについて毎日新聞は、関係が悪化している韓国との協力関係を進めようとしているのは、中国との経済協力が思惑どおりには進んでいないためと分析しています。