中国の遼寧省などで、北韓を脱出した脱北者数十人が中国の公安当局に拘束され、北韓へ強制送還される恐れが提起されていることを受けて、韓国の外交通商部は中国政府に対して、国際難民条約を遵守するよう促しました。
脱北者は北韓に送還されると、死刑など、重い懲罰を受けるとされていますが、中国政府は脱北者の北韓への強制送還方針を崩していません。
韓国の外交通商部は、脱北者を強制送還しないよう中国政府に求めてきましたが、今のところこれといった成果がなく、中国当局との交渉と並行して、国際社会にこの問題の解決を呼びかけていくことにしたものです。
外交通商部は、来月初めをめどに準備が進んでいる韓中外相会議でも、国際難民条約の遵守を促すことにしています。
この問題と関連して、自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)議員は、潘基文(バン・ギムン)国連事務総長とアメリカのキング北韓人権担当特使に、問題解決のために緊急な措置を求める書簡を送りましたが、朴宣映議員によりますと、中国の公安当局に拘束された脱北者は、8日に19人、12日に5人、18日に3人、19日に3人、合わせて30人だということです。
こうした中で、外交通商部は、今月8日に瀋陽で中国の公安当局に拘束された脱北者10人はまだ強制送還されていないことが確認されているとしています。