北韓の経済は15年前に比べて86.5%に縮小しており、南北関係が冷えこんで韓国から北韓への支援が縮小された影響が大きいとする分析を、韓国の世宗(セジョン)研究所がまとめました。
それによりますと、北韓経済は餓死者が相次ぎ厳しい食糧難を克服するとして行った1990年代後半の｢苦難の行軍｣の時期が最悪の状況でしたが、その後、韓国からの支援や中国との貿易拡大で徐々に上向き2007年にピークとなりました。しかし再び急速に衰えを見せているとしています。
そして10の指標で北韓の経済状況を推定したところ、食糧、石炭、発電、貿易では上昇していますが、原油、鉄鋼、水産物は低下しており、経済全体では1995年を100にした場合、2009年には86.5に縮小していることがわかりました。
なかでも財政規模は1995年を100にした場合、2009年には31に縮んでいました。同じく韓国から北韓への支援物資の金額も36.2に減っていました。
報告書は、国政運営の経験がなく権力基盤も弱い金正恩(キム・ジョンウン)中央軍事委員会副委員長が北韓を統治することによって、 北韓経済はさらに厳しくなっていくものとみています。