北韓の朝鮮労働党は、暮れの12月30日の政治局会議で正恩(ジョンウン)氏を北韓軍最高司令官にすることを決めたと、朝鮮中央通信が1日、報じました。
それによりますと、朝鮮労働党は、故金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が生前の去年10月に残していた遺言を受けて、12月30日に政治局会議を開き、正恩氏を北韓軍最高司令官とすることを正式に決めたということです。
この決定は金正日委員長の死亡から13日ぶり、追悼大会の翌日に行われたもので、北韓の権力継承が速いペースで行われていることを示しています。
正恩氏が最高司令官に推されたことについて、北韓について研究しているソウルの北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は、正恩氏も金正日委員長と同じように軍を重視する先軍政治を掲げていくという方針を示すとともに、北韓内部の安定化をはかる狙いがあるものと分析しています。
この会議では「故金正日国防委員長を朝鮮労働党と北韓革命の永遠の指導者としてあがめていく」とする決定書も採択され、金正日委員長を神格化する動きが始まっていることを物語っています。