北韓の金正日国防委員長の告別式が28日、平壌の錦繍山(クムスサン)記念宮殿で始まりました。
告別式では、まず、錦繍山記念宮殿に安置されている金正日国防委員長のひつぎの前で、正恩(ジョンウン)氏が幹部らと共に黙とうし、葬儀に当たる隊列を査閲した後、金正日国防委員長の遺体を乗せた霊きゅう車や大きな肖像画を掲げた車が、平壌市内を葬送行進するものとみられます。
式は約1時間で終わる見通しで、告別式の後、金正日国防委員長の遺体は父親である金日成主席の遺体が安置されている錦繻山記念宮殿に安置されます。
これに先立って、北韓は正恩氏が党、政府、軍すべてを掌握したことを強調する一方で、住民の結束固めを図っています。
北韓のメディアは正恩氏が27日、金正日国防委員長の遺体が安置されている錦繍山記念宮殿を訪れ、弔意を表したと報じました。
19日の死亡発表後、正恩氏の弔問が伝えられたのは5回目で、特に今回は正恩氏を「党と国家、軍隊の指導者」と称して伝え、正恩氏が党、政府、軍すべてを掌握したことをアピールしました。
北韓のメディアは、この日正恩氏がハンカチで涙を拭く姿を伝えるなど、これまでの報道の中で正恩氏の悲痛な姿を最も強調していますが、これには正恩氏の孝行の心を訴えることで、遺訓統治に正当性を与え、住民を結束させる狙いがあるものとみられます。
一方、金正日国防委員長の告別式を前に、北韓のメディアは特報体制に入りました。
朝鮮中央テレビは、28日未明2時20分頃まで放送をしたのに続き、異例に早く28日午前7時から放送を始め、事実上終夜放送を行いました。
朝鮮中央テレビはまた、生前の業績を称えるドキュメンタリー映画などを放送し、金正日国防委員長を追慕しています。