来年4月までに経済強国になるという北韓の目標は、とうてい達成できない見通しです。
経済強国の建設を掲げる北韓は、金日成(キム・イルソン)主席の誕生100周年にあたる来年4月までに達成しなければならない目標として、生産能力が最高だった1980年代後半の生産指標を掲げています。
しかし韓国輸出入銀行が今年7月にまとめた報告書によりますと、2008年の時点での分野別の目標達成率は、穀物が78.55%、発電量が87.42%など、一部が目標に近づいていましたが、ほとんどが60%以下でした。
他の分野の達成率は、石炭が57.9%、鉄鉱石が51.6%、セメントが54.5%、水産物が35%、鉄鋼が21.5%などと、非常に低い達成率でした。
なかでも化学繊維は17%、原油の輸入量は16.7%、肥料は13.6%などわずか10%台でした。
北韓が2009年と2010年に2年連続マイナス成長となったことを考えると、達成率はさらに落ちているものとみられます。
報告書は、目標の達成が難しくなった最大の要因として、資源を配分するときに軍需部門を最優先する原則と、去年の通貨改革の失敗を挙げています。