北韓との軍事境界線3か所に、韓国がクリスマスツリーの形をしたイルミネーションを北韓に向けて設置しようとしていることに対して、北韓が撤回を求めてきました。
北韓は、14日、朝鮮中央放送を通じて主張を述べ、「韓国はすでに去年末、京畿(キョンギ)道金浦(キムポ)市愛妓峰(エギボン)のイルミネーションを点灯させて心理作戦に利用したが、韓国国防部はこの心理作戦を強化しようと北韓から見える軍事境界線付近の2か所にさらに設置しようとしている」と非難しました。
そして「これは軍事境界線地域内の全ての宣伝物を撤去するとした2004年の南北合意を破ることになる。このイルミネーションの設置がもたらす結果を恐れるならば直ちに撤去すべきだ」と主張しました。
韓国はこれまでの愛妓峰に加えて中部戦線と東部戦線の北韓側からよく見える場所にクリスマスツリーの形をしたイルミネーションを建てると11日、発表し、来週23日から来年1月6日まで点灯することにしています。
愛妓峰のイルミネーションは1954年に建てられ、2003年までクリスマスや釈迦誕生日などにイルミネーション点灯式が行われていましたが、2004年6月の南北将官級軍事会談で、軍事境界線地域での宣伝活動を中止することで合意したことから、点灯式は中止されていました。しかし、去年の北韓による延坪(ヨンピョン)島砲撃によって再び点灯され、去年のクリスマスから今年の1月8日にかけてイルミネーションを灯しています。