世界各国のメディアがカダフィ大佐の死亡を大きく報じていますが、北韓のメディアは一切このニュースを報じていません。
北韓はリビアと1974年に外交関係を樹立し、1982年には親善協調同盟条約、1984年には軍事協力議定書を締結するなど、友好関係を維持してきました。
また、北韓とリビアは帝国主義アメリカに対抗する同じ価値を共有しているとして、最も近い友好国として扱ってきました。
北韓がそんなリビアのカダフィ大佐の死亡について報じていないのは、最も近い友好国の一つであるリビアが西側諸国の空襲で政権が崩壊した事実を北韓住民がどのように受け止めるかに気を配っているためだという指摘もあります。
北韓は2006年12月にイラクのフセイン前大統領が処刑された際、18日経った後でようやくその事実を報じました。
一方、アメリカの保守系シンクタンク、ヘリテージ財団の関係者は、カダフィ政権の崩壊と北韓の核問題について言及し、「カダフィ政権が西側諸国の支援を受けた反体制派によって崩壊したことから、北韓は自衛を名分に核開発を正当化する可能性が高い。数十年間に渡って核開発に専念してきた北韓が国際社会の説得に応じる可能性は低い」との見方を示しました。