北韓の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は19日、北韓の核問題をめぐる6か国協議について「前提条件なき早期再開」を求める姿勢を改めて強調しました。
北韓の金正日国防委員長は、今月24日からスイス・ジュネーブで開かれる2回目の米朝協議を前に、19日、ロシアのイタル・タス通信との書面インタビューに応じました。
この中で、金正日国防委員長は「無条件で6か国協議を一日も早く再開するとともに、核の放棄を前提にアメリカが核や通常兵器で北韓を攻撃しないとした2005年の6か国協議共同声明を履行し、韓半島の非核化を実現しようとする我々の方針に変わりはない」と述べました。
金正日国防委員長はまた、「我々が核抑止力を保有したのは、常に安全を脅かすアメリカから自主権を守るためだ」と主張しました。
金正日国防委員長はさらに、アメリカとの関係について、「アメリカが北韓に対する敵対政策を放棄すれば関係改善に乗り出す用意がある」と述べました。
しかし、北韓が前提条件のない6か国協議の再開など従来の立場を改めて強調し、事前の措置としてアメリカが求めているウラン濃縮活動の停止などは受け入れない考えであることを示唆したことから、今月24日からスイス・ジュネーブで開かれる2回目の米朝協議の見通しは明るくないものとみられます。
金正日国防委員長が外国メディアと書面インタビューを行ったのは、2001年にイタル・タス通信、2002年に共同通信のインタビューに応じて以来3度目です。