北韓の金正日(キム・ジョンイル)政権が崩壊しても短期間に北韓そのものが崩壊する可能性は低いとする分析が報告されました。
アメリカ国防大学傘下の国家戦略研究所がこのほどまとめた「北韓政権の崩壊」をテーマにした報告書によりますと、金正日政権が崩壊した場合、北韓のエリート階級は自らの生存をも脅かすことになり兼ねない国の崩壊を防ぐためあらゆる手段を尽くすはずであり、韓国や中国、ロシアなど周辺国も北韓の危機が国際的な危機に広がることを阻止するはずだとしています。
特に韓国政府にとって北韓政権の崩壊は、南北統一の実現と、安全保障の脅威を除去するチャンスとなるだろうが、その時の大統領府青瓦台の主の政治色次第で方向が変わると予想しています。そして進歩陣営が政権を握れば統一を推進するだろうが、保守政権が誕生した場合はその可能性は極めて乏しいとみています。
またこの報告書は、北韓政権の崩壊を真っ先に感知する可能性が高い中国は、南北統一や北韓の大量破壊兵器の除去に反対姿勢を示すだろうとの見通しを示しています。