金剛山(クムガンサン)観光事業を担当する現代峨山(ヒョンデアサン)の張慶作(チャン・ギョンジャク)社長が先月末開城(ケソン)で北韓のアジア太平洋平和委員会のリ・ジョンヒョク副委員長と面談したことがわかりました。
政府消息筋が4日に明らかにしたところによりますと、張慶作社長は先月27日に開城工業団地内の現代峨山開城事業所で、リ・ジョンヒョク副委員長と会い、金剛山観光の再開と資産問題について協議したということです。
アジア太平洋平和委員会は現代峨山と金剛山観光関連契約を締結した北韓側の担当機関です。
張慶作社長は去年3月に現職に就任しており、リ・ジョンヒョク副委員長との面談は今回が初めてです。
張慶作社長の訪朝は、統一部長官が柔軟性を強調している柳佑益(リュ・ウイク)長官に代わった後に行われたため、金剛山問題をめぐる南北対立の解決につながるかどうか注目されています。
柳佑益長官は先月20日、国会の国政監査で、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長と現代グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長の間で2009年8月に行われた金剛山観光客射殺事件の再発防止に向けた合意を北韓当局が公式に認めれば観光が再開される可能性があることを示唆する発言をしています。
一方、 与党ハンナラ党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は、開城工業団地内の工事を再開することを明らかにし、政府は消防署など施工会社の選定手続きに入りましたが、工事を担当する会社には、開城工業団地開発事業者として130件余りの土木・建築工事を行った経験のある現代峨山が選ばれる可能性が高いとみられています。
消防署の工事規模はおよそ50億ウォンと大きくはありませんが、政府が去年3月の哨戒艦沈没事件を受けて、去年5月に北韓との交流と貿易を一切中止する措置を取ったことで中断・凍結された工事などを合わせると、その規模は700億ウォンに上っています。
このため、このところ政府が強調している柔軟な姿勢が開城工業団地建設事業の全面的な再開につながった場合、現代峨山にとっては危機を乗り越える転機になるものとみられます。
ハンナラ党の洪準杓代表は、先月、開城工業団地を訪問し、現地に進出している韓国企業2社を訪問するほか、進出企業の代表らと懇談しています。