北韓は、金剛山観光へ外国人客を誘致するため北韓東北部の羅先(ラソン)と金剛山を海上で行き来する外国人向けのテスト観光を始めた模様です。
北韓の朝鮮中央通信が30日、伝えたところによりますと、この日、貨客船「万景峰」号に乗って羅津港を出発し、金剛山一帯を見学する4泊5日間のテスト観光の出港式が行われたということです。
テスト観光には、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、中国、日本などの投資企業や、観光会社の職員、さらにこれらの国を代表するメディアの取材陣が同行している模様です。「万景峰」号は、北韓と新潟港を結んで在日朝鮮人の祖国訪問や生活物資輸送などに利用された貨客船で、31日にも金剛山に近い江原道高城(コソン)港に入港する予定です。
一方、VOA=「アメリカの声」放送が30日伝えたところによりますと、アメリカ・イリノイ州にあるアジア太平洋旅行会社が、金剛山観光事業の運営主体である韓国現代峨山所有の金剛山ホテルを利用する観光商品を発売したことが分かり、論議を呼ぶものとみられています。
北韓は今月22日に発表した国際観光特区指導局スポークスマンの談話で、「金剛山観光地区にある韓国企業の資産の持ち出しを21日午前0時から禁止する」として、地区内にある韓国資産の実質的な法的処理に入る方針を示しており、韓国資産である金剛山ホテルを北韓が一方的に無断で使用する構えを示しています。
こうしたことを受けて、韓国の統一部は、アメリカ、日本、中国などに対して、自国民の金剛山観光を自制するよう要請する案を外交通商部と協議中で、さらに関係部署からなる対策チームを立ち上げて来月初めにも対策を講じることにしています。