北韓の国防委員会は9日、南北首脳会談の開催をめぐる韓国との秘密接触のやり取りの録音を公開することを辞さないと表明しました。
北韓は今月1日、南北首脳会談の開催をめぐって北京で韓国との間で秘密接触があったことを一方的に暴露し、韓国側がその過程で、3回の首脳会談を提案した上、哨戒艦沈没事件や延坪島への砲撃の謝罪について、形式的な謝罪でも構わないと持ちかけ、さらに北韓の関係者に現金が入った封筒を手渡そうとしたと主張しました。
韓国政府は北韓のこうした主張について、秘密接触があったことを認めた上で、韓国は首脳会談の前提として北韓に対して明確な謝罪を求めたとしています。
北韓の国防委員会は、韓国政府が秘密接触の内容を歪曲するのなら、秘密接触のやり取りの録音を公開することも辞さないとしています。
韓国政府は、北韓の主張は事実ではないので、録音があるのなら公開しても構わないとしています。
北韓のこうした動きは、南北間の対話が進まない責任が韓国側にあるとアピールすることで、6か国協議再開に向けて想定されている、南北の対話、米朝協議、6か国協議再開の3段階のプロセスのうち、南北の対話の段階を飛ばして米朝協議に持ち込もうとする狙いがあるものと見られています。