中国訪問4日目の北韓の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は、22日夜、中部都市、江蘇省の揚州に到着し、迎賓館で一泊した後、23日午前9時頃、乗用車で経済開発区を視察しました。
金正日国防委員長は、揚州の科学技術団地で、太陽光発電やIT関連の工場を視察したと伝えられ、また午後には、1991年に父親の金日成前主席が当時の江沢民国家主席と一緒に訪れたとされる揚州の遺跡地を視察するものとみられています。
またこの際、金正日国防委員長は、江沢民前国家主席と会う可能性が高いという観測が流れています。
江沢民前国家主席は、引退後も中国指導部に強力な影響力を行使する人物であることから、金国防委員長は、江沢民前国家主席と会って、後継者に決まった三男の正恩(ジョンウン)氏への権力世襲の支援を要請するものとみられています。
今回の金正日国防委員長の中国訪問ついて、温家宝首相は、22日、「中国の発展状況を理解し、自分たちの発展に活用してもらうために招請した」と話しており、このあと中国経済の中心都市、上海に立ち寄るものと予想されています。さらに、金正日国防委員長は今度の中国訪問中、胡錦涛国家主席と首脳会談を行うものと見られていますが、会談の場所については、北京と、上海とで観測が分かれています。