フランスの国立図書館で所蔵されている朝鮮王朝時代の図書、「外奎章閣(ウェギュジャンガク」について、政府は来月にも永久賃貸するよう公式に要請する方針を固めたもようです。
外奎章閣というのは、朝鮮王朝時代に韓国の西海にある島、江華(カンファ)島に収蔵していた297冊におよぶ朝鮮王朝の記録で、1866年、フランスの軍艦が江華島を攻撃して上陸した際にこの記録を奪ってフランスに持ち帰りました。
このため、記録の返還をめぐって韓国とフランスの政府はこれまで口頭で交渉を続けてきましたが、このほど、フランス側が韓国政府の立場を文書で伝えるよう要請してきたということです。
これについて政府の消息筋は21日、「政府は市民団体など各界の意見を聞いたところ、これまで検討していた「長期賃貸」ではなく、「永久賃貸」が最も現実的な方法だと判断し、近く公式文書をフランス政府に発送する予定だ」と述べました。
永久賃貸は、フランス政府が「外奎章閣」を韓国に賃貸したあと、4年ごとに契約を延長して無期限賃貸する方式を意味するものです。
政府のこうような方針は「外奎章閣」の早期返還を求める韓国民の心情と韓国の法律に基づく返還要請を受け入れないフランス政府の立場に配慮したものです。
これまで把握したところによりますと、フランスに渡った「外奎章閣」図書は合わせて297冊で、このうち1冊は1993年に永久賃貸の形で韓国に返還されています。