政府はソウルで開かれたユネスコの会議で、フランスと日本に対して韓国の文化財を返還するよう求めました。
ソウルでは26日から28日まで文化財返還促進のための政府間委員会(ICPRCP)の30周年を記念する特別会議が非公開で行われました。
この席で韓国の文化財庁は、28日、「フランスの国立図書館に所蔵されている朝鮮王朝時代の図書、「外奎章閣」について、フランス自らが解決方法を考えて返還してもらいたい」と求めました。
外奎章閣というのは、1866年、フランスの軍艦が江華島を攻撃し部隊が上陸した際、江華島に収蔵していた朝鮮王朝の記録を奪っていったもので、全部で297冊あります。
文化財庁はまた日本の宮内庁に保管されている「朝鮮王室儀軌」についても「先に日本の東京大学が朝鮮王朝実録を韓国に返還したことの延長線上で、宮内庁所蔵の朝鮮王室儀軌など72種の韓国の貴重な文化財を早期に返還してもらいたい」と求めました。
この「朝鮮王室儀軌」は、15世紀から19世紀にかけての朝鮮王朝の王室の儀式などを絵で記録した膨大な数の絵本で、去年、ユネスコの世界記録遺産に登録されています。
韓国文化財庁は、「自国の国内法を理由に返還ができないという主張は説得力に欠けており、不法に持ち帰った文化財は寛容と配慮によって解決方法を模索しなければならない」と強調しました。