東京電力福島第一原発の事故を受け、政府が輸入を禁止している福島県近隣の農産物が、韓国のEコマースサイトで販売されていることがわかりました。輸入規制が適切に管理されていない実態が明らかになったことを受け、政府は対策を強化する方針です。  

与党「国民の力」の議員によりますと、海外通販を専門に行っている日本の業者が、韓国のECサイト、ネイバーショッピングで、群馬産のシイタケを販売しているということです。
 
現在、政府は福島など8つの県の水産物の輸入を禁じているほか、15の県のキノコ類やお茶など27の農産物の輸入も禁じています。
 
しかし、インターネット上で取り引きされる食品情報を管理する放送通信審議委員会は、福島関連の輸入禁止品目のモニタリングを行っておらず、食品医薬品安全処も、ECサイトで販売されている海外の食品については、自由規制としてきました。
 
食品医薬品安全処は、8月21日からモニタリングを実施し、これまで摘発された127件については、販売を禁止する措置を取ったということですが、群馬産のシイタケなど摘発できなかった事例があるほか、今回摘発された127件の食品が、過去にどれくらい販売されたかについても把握できていません。
 
こうした状況を踏まえ、食品医薬品安全処は今後、海外通販に対するモニタリングを強化するとしています。