福島原発の汚染処理水の海洋放出を受け、福島産の水産物に対する輸入禁止措置を法制化する案が最大野党によって国会に提出されました。
28日に提出された食品衛生法の改正案では、重大な原発事故が発生した国または地域の食品について、放射性物質などに汚染し、国民の健康や環境を害することが判明した場合だけでなく、その恐れがある場合も輸入を禁止するよう定めています。
また、放射性物質などを海に放出した場合も、その国の海域で生産、採取、または捕獲した水産物の輸入を禁止できるとしています。
韓国が現在、福島など日本の8県の水産物に対して取っている輸入禁止措置を継続するとともに、必要に応じて輸入禁止の対象を日本全国に拡大するための法的根拠を設けることが狙いです。
改正案を提出した「共に民主党」の議員は、「政府が汚染水の海洋放出に事実上同意したため、日本の海域は危険だという輸入禁止措置の根拠が弱くなった」と述べました。
そのうえで、ことし6月に福島原発の港湾内で捕獲されたクロソイから日本の関連法が定める基準値の180倍にあたる放射性セシウムが検出されたことに触れ、「輸入禁止措置を引き続き維持するよう法律で定める必要がある」と強調しました。
福島原発の汚染処理水の放出開始を受け、中国政府は日本産水産物の全面的な輸入禁止を発表していて、韓国では、日本が水産物の輸出先を確保するため、韓国に対して輸入の解禁を求める可能性があるとの見方が出ています。