セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
ⓒYONHAP News
韓国で最も人気のある通信アプリ「カカオトーク」で15日、不具合が発生し、5千万人以上のユーザーの生活に大きな影響が出ました。
原因はデータセンターで起きた火災でした。
火災はカカオのサーバーがある、ソウル郊外の板橋(パンギョ)のデータセンターで発生しました。
15日午後3時9分にデータセンター地下3階の電気室のバッテリーから発火、自動消火設備が作動して火は消し止められましたが、バッテリー1基が焼けて電力の供給に支障が出始め、午後3時33分には一部のサーバーへの電力の供給が途絶え、通信アプリ「カカオトーク」に不具合が発生しました。
午後4時52分には消防が漏電などの懸念から電力の遮断を要請、データセンター全体への電力供給が止まり、すべてのサーバーが機能を失いました。
火災によるけが人はありませんでした。
カカオトークはカカオの主力アプリで、韓国の携帯電話の9割以上にインストールされていて1日延べ4千万人が利用しています。
カカオが提供するサービスとしては、カカオトークだけでなく、地図やオンライン決済、配車、ストリーミング再生、ゲームなどがあり、韓国国民の日常生活に欠かせないものになっています。
火災による直接的な被害は大きくありませんでしたが、多くの人たちがカカオが提供するサービスを利用していただけにその影響は大きく拡がりました。
今回の事故は、部分的な小規模火災が全体のシステムダウンにつながること、また、データセンターなど重要施設の災害への備えに不備があったことを明らかにしました。
韓国国内には2020年の時点で156のデータセンターがあり、10万台以上のサーバーを収容しているデータセンターも少なくありません。
カカオ関連サービスの占有率は高く、事実上国家基幹通信網と変わらないとされていますが、民間企業によるサービスということもあり、政府機関の管理や統制の対象にはなっておらず、事故への備えが十分ではなかったと指摘されています。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、「事故による国民の不便と被害を重く受け止めている」としたうえで、「原因を特定するだけでなく、再発防止策や障害発生時の対応態勢を整備しておく必要がある」と述べました。
今回の事故で、データセンターの管理や企業による独占・寡占を規制するための法整備が必要だとする声が高まっています。
通信障害は19日午前までにほぼ正常化されています。
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