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論点

北韓が核実験再開を示唆

2022-01-22

ニュース

ⓒYONHAP News

北韓は、大陸間弾道ミサイルの発射実験や核実験の中止について、見直しを検討することを示唆しました。

北韓は2018年4月に開かれた労働党中央委員会全体会議で、核実験場を廃棄するとともに、核実験及びICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験を中止すると宣言しました。

北韓の国営朝鮮中央通信は20日、金正恩国務委員長が出席した労働党政治局会議が19日に開かれたと伝えました。

朝鮮中央通信は、北韓が核実験及び大陸間弾道ミサイルの発射実験を中止することにしたのは、信頼構築に向けた先決的かつ主導的な措置だったとしたうえで、北韓の誠意ある努力にもかかわらず、アメリカの敵視政策と軍事的脅威はこれ以上黙認できない危険なレベルに達したとして、会議で、アメリカとの長期的な対決に徹底して準備しなければならないとする方針を決定したとしました。

また、アメリカによる制裁措置については、「正当な主権行使に不当な言いがかりをつけ、無分別に策動している」と主張し、「アメリカは20回余りにわたって単独の制裁措置を取っている」と非難しました。

北韓はこれまで、大陸間弾道ミサイルの発射実験や核実験の中止は北韓による善意の措置だと主張し、アメリカに対して、制裁の解除など、相応の措置を要求してきました。

しかし、ベトナム・ハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談が決裂、米朝交渉は膠着状態に陥り、北韓は何も得られなかったとして不満を表明してきました。

朝鮮中央通信は、「帝国主義という敵対的な実体が存在するかぎり、北韓に対する敵視政策は継続されるだろう」と主張し、そのために労働党政治局は国権と国益を守るために物理的な力をより確実に強化し、実質的な行動に移るべきだという結論に至ったとしました。

こうした内容は、これまでの短距離弾道ミサイルなどの発射から大陸間弾道ミサイルの発射へと挑発の強度を増幅させることを示唆したものと受け止められています。

北韓は新年早々に極超音速ミサイルを発射、開発に成功したと宣言し、これに対してアメリカは制裁に動き出しました。

北韓はアメリカの制裁に反発、大陸間弾道ミサイルの発射実験や核実験の中止の見直しを検討するとしたものです。

実際に北韓が大陸間弾道ミサイルを発射するようなことになれ、韓半島の緊張が平昌冬季オリンピック以前の一触即発の状態に高まる可能性もあります。

北韓は2017年9月に6回目の核実験を実施し、11月には大陸間弾道ミサイルを発射、軍事的緊張を高めました。

しかし、2018年2月に韓国で開かれた平昌冬季オリンピックへの参加を表明、対話の局面へ転換、南北及び米朝首脳会談が実現しました。

今回の政治局全体会議の決定で、北韓がすぐに挑発に動き出すことはないでしょう。

北韓の事情に詳しい専門家は、今回の決定について、新型コロナウイルスの影響や経済難で困難に陥っている北韓が、内部の結束を図るとともに、アメリカをけん制する目的があったと指摘しています。

バイデン政権は国内問題に集中し、北韓の核問題は後回しになっていることも、今回の決定に影響を及ぼしたとみられます。

ただ、金正恩国務委員長が、アメリカとの交渉力を高めるために、実際に大陸間弾道ミサイルを発射する可能性も排除できません。

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