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論点

原油価格高騰の中でウォン安進む

2022-02-12

ニュース

ⓒYONHAP News

原油価格の高騰が続く中でウォンの値下がりも進み、物価への影響が懸念されています。

ブレント原油の価格を見ますと、今月8日に1バレル=92.69ドルまで上昇しました。

昨年12月1日の68.87ドルから2カ月余りで34.5%も上昇したことになります。

原油価格が上昇しているのは、ウクライナ問題で欧米とロシアが対立していることやアラブ首長国連邦の石油施設がイエメンの親イラン武装組織フーシ派によるミサイルや無人機を使った攻撃を受けていることなど、地政学リスクが高まっていることが作用しているとされています。

こうした地政学的リスクを避けることはできず、韓国はその影響を直接的に受けるしかありません。

韓国は原油のほぼ全量を輸入しています。

原油価格が上昇すると、2~3週間後には国内で販売されるガソリンの価格も上昇し、結局は物価の上昇を招きます。

一方でウォンの値下がりも続いています。

原油高とウォン安が同時に進むのは異例です。

通常は原油価格が上昇するとドル安になり、相対的にウォンは値上がりますが、今回は原油高とウォン安が同時に進んでいます。

これはウクライナ情勢といった地政学的リスクだけでなく、アメリカの金融引き締めへの警戒が強まっているためです。

ウォン相場を見ますと、先月27日には1ドル=1207.40ウォンまでウォン安が進みました。

昨年12月9日の1ドル=1172.80ウォンから34.60ウォン、3%もウォン安になったことになります。

原油価格の高騰に加えてウォン安まで進むと、企業としては原材料を輸入するためにさらに大きなコストがかかり、コストは製品価格に反映されますので、物価に直接的に影響を及ぼします。

外貨準備高も減少しています。

韓国銀行のまとめによると、1月末の時点で外貨準備高は4615億3000万ドルでした。

過去最大だった昨年10月末の4692億1000万ドルから、3カ月で77億ドルも減少したことになります。

外貨準備高は3カ月連続で減っていて、IMF=国際通貨基金が定義する適正な外貨保有高の基準を下回っているとの指摘さえあります。

これら多くの事情から、物価上昇への懸念が強まっています。

農産物と石油の価格を除き、物価の基調的な流れを示す根源物価は、1月の時点で10年ぶりに3%台に上昇しました。

統計庁は2月以降も物価の上昇は続くだろうと予想しています。

韓国政府は、石油税引き下げ措置の延長、石油備蓄の放出など、対策を急いでいます。

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