セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
きょうご紹介した企業は、ソウル市松坡(ソンパ)区にあるIT企業、「モビジェン」です。「モビジェン」は2000年に設立され、ビッグデータ、つまり膨大なデータ情報を分析・活用するソリューション「アイリス」を開発・提供しています。
「アイリス」は、大量のデータを確実に保存し、処理するソリューションで、3ペタバイト(PB)のデータをリアルタイムに処理することができます。1ペタバイトは1000テラバイトで、「アイリス」のデータ処理能力は、大企業を含めて、韓国企業でナンバーワンということができます。
大量のデータを処理・分析するビッグデータソリューションは、今や、いろいろな分野で活発に使われていますが、「アイリス」の発売当初は使いどころがなく、苦労したといいます。「モビジェン」は、2008年にアイリスを発売し、一日10億件のデータを処理できる超高性能のシステムであることをPRしましたが、大手キャリア数社以外にお客様を確保することはできませんでした。一日に10億件のデータを処理する能力を求める会社がなかったのです。ところが、2010年頃になって、ビッグデータの市場が注目されるようになり、取引先もどんどん増えていきました。
「モビジェン」は、政府が去年発表した国家発展戦略「デジタルニューディール」に盛り込まれた「データダム事業」の本格化により、新たな飛躍のチャンスを迎えています。「データダム事業」とは、精密な道路地図、施設建築物の管理情報といった公共データ14万件以上を提供し、民間が活用できる「データダム」を構築するというものです。「データダム」ができあがればデータの取引が活性化すると見込んだ「モビジェン」は、データ標準化技術など便利な取引を支える技術の開発にいち早く取り組んでいます。
「モビジェン」はまた、ビッグデータのビジネス活用をサポートするサービスを開発中です。資産としてのデータの価値に気づいていながらも蓄積されたデータをどのように活用すればいいか戸惑っている企業と提携し、データ分析・活用によって付加価値を高め、そこから生まれる収益を分け合うというビジネスモデルを構想しています。
絶え間ない技術革新により成長を続けている「モビジェン」。ビッグデータの活用の先に広がる新たな世界を楽しみに見守っていきたいと思います。
2024-04-19
2024-04-17
2024-04-03