セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
自動車用電池の営業秘密侵害に関する紛争を2年以上繰り広げてきたLGエネルギーソリューションとSKイノベーションは11日、SK側がLG側に総額2兆ウォン、およそ2000億円の賠償金を支払うことで合意したと発表しました。
LG側は2019年4月、EV=電気自動車の車載電池に使われる2次電池技術と関連して、SK側がLG側の人員を引き抜き、営業秘密を侵害したとして、アメリカのITC=国際貿易委員会に調査を申請しました。これに対して、ITCはことし2月、LG側の主張を認める最終判断を下しました。そして、アメリカの関税法第337条の違反を適用し、営業秘密を侵害した電池と部品に対する「アメリカへの輸入禁止10年」を命じました。
LGとSKが和解に合意したのは、主要国の環境対策強化を背景に電気自動車向け電池の需要が急増するなかで、紛争を続けた場合、会社の成長や競争力向上の足を引っ張りかねないと判断したためとみられます。今回の合意で、SKの電池に対する輸入禁止措置は無効となり、SKはジョージア州での電池工場の建設はもちろん、フォードやフォルクスワーゲンへの電池供給も続けられるようになりました。
LGとSKによる紛争は、韓国の電池産業を危うくしかねないと指摘されていました。韓国製電池の供給不安リスクが浮上し、LGエネルギーソリューションは、ことしに入って、中国のCATLに世界市場シェア1位の座を奪われ、ヨーロッパの自動車業界は、韓国製電池の代わりに独自に生産した電池を使用すると発表しました。
そうしたなか、今回の合意により、韓国の電池業界は、巻き返しのきっかけを手にしたということができます。両社が紛争に終止符を打ち、グローバル市場の変化への対応に集中できるようになったからです。特に、アメリカで電池の生産基地を確保した企業はLGとSK、それに日本のパナソニックの3社しかないため、今後、電池をめぐるグローバル競争で優位に立つことができると評価されています。
今回のLGとSKによる和解が、韓国の電池産業のさらなる発展、そして国としての電気自動車の中長期戦略の策定につながることを期待したいと思います。
2024-04-19
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