セウォル号惨事から10年、記憶と記録
2024-04-19
電機大手、LG電子は5日、スマートフォン事業から7月末に撤退すると発表しました。
LG電子は1995年に携帯事業に参入し、「チョコレートフォン」や「アイスクリームフォン」、「シークレットフォン」など、次々とヒット製品を生み出しましたが、スマートフォンの時代になってからは変化の波に乗り遅れ、シェアを落としていきました。その結果、LG電子のスマートフォン事業の営業損益は、2015年の第2四半期から23四半期連続で赤字となり、累積の営業赤字は4兆6000億ウォン、およそ4500億円に達していました。
LG電子は、スマートフォンの世界市場でおよそ1.8%のシェアを占め、9位となっています。このうち、北米市場では3位、中南米市場では4位で、これらの市場のシェアがどのように変わるのか注目されます。北アメリカではサムスンやモトローラが、南アメリカではシャオミやオッポなどの中国企業が恩恵を受けると予想する見方が出ています。韓国市場では、LG電子の撤退により、サムスン電子とアップルによる全面対決が本格化する見通しです。
スマートフォン事業からは撤退することになりましたが、LG電子には、新しいビジョンがあります。LG電子は、具光謨(ク・グァンモ)会長の就任以来、新しい成長ビジネスを中心に事業構造の見直しを進めてきました。赤字部門を整理することで、事業再編に弾みがつき、電気自動車の部品やロボット、AI=人工知能、電池といった成長分野に資源を集中できるようになると期待されます。
また、スマートフォンビジネスからは撤退しますが、第4次産業革命に対応するため、モバイル技術の研究開発は今後も続ける方針です。身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながる。これは、第4次産業革命のカギとなるもので、それを可能にするのがIoT=モノのインターネットです。そのIoT技術において、モノとモノをつなげる役割を担うのがスマートフォンです。LG電子は、第4次産業革命時代、モノのインターネットの時代において生産性を高め、効率を上げるためにスマートフォン技術の研究開発は続けるとしているわけです。LG電子は、モバイルの分野で、多数の技術特許を保有するなど優れた技術力を持っています。こうしたことから技術開発を今後も続け、総合ICT=情報通信企業としての地位を固めていく考えとみられます。
禍を転じて福と為す、つまりリスクをチャンスに変えることこそ、LG電子に突き付けられた課題だといえそうです。
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