第39話 ことしを振り返る年末スペシャル ~ドラマ『お疲れ様』と映画『顔』~
2025-12-24
ナ・テジュさんは1945年生まれ、今年80歳の現役詩人です。
忠清南道・西川郡で生まれ育ち、公州師範学校を卒業後、小学校教員となりました。
各地で教壇に立ち、教頭・校長を歴任。2007年、公州市の小学校長を最後に、43年間の教職生活を終えています。
詩人としては1971年、『ソウル新聞』新春文芸で登壇。
1973年に初の詩集『竹藪の下で(대숲 아래서)』を出版しました。
現在も創作活動を続けており、公州市には彼の作品を展示した文学館があり、多くのファンが訪れています。
ナ・テジュさんの詩は、小学校・中学校の教科書にも掲載されるほど身近な存在です。
やさしく平易な言葉で綴られた詩は、日本の詩人・谷川俊太郎さんを思わせるとも評され、
子どもから高齢者まで幅広い世代に親しまれ、「国民詩人」と呼ばれています。
日本でも詩集が次々と翻訳出版され、
2020年に刊行された『花を見るように君を見る』は、日本で14万部を超えるベストセラーとなりました。
詩集としては異例のヒットです。
■ スターも大好き
ナ・テジュさんが日本で広く知られるようになった背景には、
韓国のスターたちによるSNSでの紹介があります。
BTSのリーダー RM、J-Hope、少女時代のテヨン、 女優のソン・ヘギョなどが、
「好きな詩人」「影響を受けた詩人」として名前を挙げました。
その影響で、詩集はK-POPファンや若い世代にも広がり、メディアでも注目を集めるようになります。
また、ドラマ『ロマンスは別冊付録』に詩集が登場したことも話題となりました。
現在もナ・テジュさんの詩集は、韓国の若者向けベストセラーランキングの上位に入り続けています。
■ 詩の世界
ナ・テジュ詩の魅力は、やさしさ・簡潔さ・日常性にあります。
難しい言葉や抽象的な表現はほとんど使わず、
短い言葉で、読む人の心にまっすぐ届く詩が多いのが特徴です。
本人も「誰でも理解できる詩」を目指していると語っています。
代表作の一つで、小学校の教科書にも掲載されている詩が『풀꽃(草花)』です。
じっくり見てこそ美しい
ずっと見てこそ愛らしい
きみもそうだ
たった3行の短い詩ですが、
「ちゃんと見れば、必ず美しさがある」というメッセージが込められています。
読む人が自分自身の経験を重ねられる“余白”を残すための短さだと言われています。
この簡潔さは、日本の短歌や俳句に通じるものがあるとして、日本の読者からも高く評価されています。
80歳を迎えた今も、
国境を越えて人々の心に寄り添い続ける詩人、ナ・テジュ。
その言葉は、今日も静かに、多くの読者のそばにあります。
2025-12-24
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