保護者からの過剰な要求や抗議を苦にして命を絶つ教師が相次いでいるなか、教育現場における正当な指導は児童虐待にあたらないと明記するなど、教員の権利の強化に向けた法律の改正案が国会で可決されました。
国会は21日の本会議で、教育関連の4つの法律について、教員の権利を強化し、教員による正当な教育活動を保護するための対策を盛り込んだ改正案を可決しました。
韓国では、ことし7月に保護者の激しい抗議に苦しんでいた小学校の教員が自殺したことをきっかけに、保護者からの悪質なクレームへの対策を求める声が教職員を中心に強まっています。
今回成立した4つの改正法案は、政府と与野党、そして日本の教育長に当たる教育監による協議内容をもとにまとめられました。
法改正により、教員の正当な指導は児童虐待とみなされず、教員が児童虐待の疑いで通報された場合でも、正当な理由がない限り免職処分は禁止されます。
また、校長は、教育活動を侵害する行為を隠蔽せず、学校への苦情に責任を持って対応することも盛り込まれました。
今回の法改正について、教員団体は21日、「教員の教える権利の強化と児童・生徒の学ぶ権利の保護につながり、学校教育の正常化に貢献するだろう」として歓迎しています。