韓国銀行は、現在、外貨準備高のおよそ1%を占めている金の割合を増やし、金の保有を拡大する必要はないとの見解を示しました。
韓国銀行は6日、報告書を発表し、一部から出ている、外貨準備高の金の割合を拡大すべきだという主張について、「去年の外貨準備高は、為替市場の安定化措置により400億ドル減少したが、短期間での回復は見込めないうえ、グローバル経済の低迷や地政学リスクなどが潜在している状況では、金の拡大よりは、アメリカドルの流動性を十分に供給するほうがいい選択だ」と明らかにしました。
とくに、2018年以降の金の価格が、アメリカの政府保証債の投資成果と連動しているだけに、ドルの流動性を通じて保有中のアメリカ国債を売却してまで、金を買い入れる根拠が明確ではないと、韓国銀行は説明しています。
一方、韓国銀行は、現在保有している104.4トンの金をすべて、イギリスの中央銀行イングランド銀行に保管しています。
韓国は過去に、金を国内やアメリカの連邦準備制度理事会、スイスの金融最大手UBSなどに保管したこともありましたが、金の流動性を高め、金の貸与を通じた収益を得るなどの目的で、すべての金をイングランド銀行に移しました。
最近、金の安全性や保管状態などを点検するため、205本のゴールドバーをサンプル調査したところ、問題はなかったということです。
韓国銀行によりますと、韓国の外貨準備高は2022年末の時点でドルがおよそ70%で、残りをユーロ、円、人民元などさまざまな通貨が占めていて、金はおよそ1%を占めているということです。