繁忙期に労働時間を増やせるよう制度を見直す政府の案が世論の厳しい批判を浴びているなか、企業の7割以上は、労働時間の上限が週69時間まで引き上げられた場合でも、独自の基準で60時間以内に抑える方針であることがわかりました。
韓国では、現在、1週間の労働時間は最大52時間に制限されています。
雇用労働部は今月6日、労使が合意する前提で、繁忙期など必要な場合には、超過勤務時間を管理する期間を、今の1週間ではなく、1か月、四半期、半期、年単位に広げられるよう変更することで、週最大69時間の労働を認める内容の改革案を発表しています。
この改革案に対して、若い世代を中心に長時間労働を強制するものだと反発する声が上がり、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は雇用労働部に改めて検討を指示しています。
改革案について、大韓商工会議所が、延長労働をしている企業302社を対象にアンケート調査を行い、その結果を24日発表しました。
それによりますと、回答企業の56%が、超過勤務時間の管理単位を従来の1週間から1か月、四半期などに広げるとしていて、このうちの72.2%は、管理単位の拡大は、繁忙期などに一時的措置として活用するとしています。
また、新制度での1週間の最大労働時間の予想を尋ねたところ、「52時間以上56時間未満」と答えた企業が40.2%で最も多く、次いで、「56時間以上60時間未満」が34.3%で、回答企業の74.5%が60時間未満と答えています。
続いて、「60時間以上64時間未満」16.0%、「64時間以上68時間未満」5.9%、「68時間以上」3.6%の順でした。
60時間以上と答えた企業の90.7%は、人手不足が深刻とされる製造業でした。