金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長が辞意を表明したのを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は5日、辞任を認めました。
金昌龍警察庁長は、行政安全部が内部に「警察局」を新設するなど警察への統制を強化する方針を公式に発表した先月27日、警察の中立性が損なわれるとして反発、任期を26日残して辞意を表明しました。
国会で多数を占める「共に民主党」によって、大統領選挙前の今年4月30日、検察の捜査権を大幅に縮小する検察庁法と刑事訴訟法が改正されました。
これを受けて行政安全部は、この法改正によって権限が拡大した警察をけん制するための方策を打ち出しています。
一方、李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官は5日、次の警察庁長に同庁の尹熙根(ユン・ヒグン)次長を推薦し、尹大統領がこれを承認したと明らかにしました。
今後、国会の人事聴聞会の開催に向けた準備が進められる予定です。
現政権が警察大学の出身者を好まないとの予想を覆し、次期警察庁長の候補となった尹氏は、行政安全部による警察への統制にある程度協力しつつ、警察の立場を最大限反映するために取り組んでいくものとみられます。また、警察の行政安全部に対する反発を収拾するのも、今後の課題となります。
警察庁長は、国家警察委員会の同意を得て行政安全部長官が推薦したあと、国会の人事聴聞会を経て大統領が任命します。
警察庁長の任期は2年です。