尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は21日、新政権の国務総理に韓悳洙（ハン・ドクス）氏を任命しました。
尹大統領は就任前の先月3日、「経済安全保障時代の適任者」として韓氏を首相に指名しましたが、最大野党の民主党は今月2～3日の国会での人事公聴会を終えたあと、「前官礼遇」（高い官職にいた人物に対して、退官後も優遇すること）などとして、韓氏に不適格の判定を下しました。
しかし地方選挙の形勢が民主党に有利ではないと判断されていることから、「足を引っ張っている」というイメージを与えてしまうと、選挙で惨敗する可能性があるとする懸念が出てきました。
このため民主党は、20日の国会本会議の前に議員総会を開いて賛成することを決め、これによって本会議では賛成多数で韓悳洙氏の任命同意案が可決されました。 　
韓悳洙氏は、盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権で経済副首相兼財政経済部長官のあと、国務総理を務めており、韓国で国務総理を2度務めるのは韓氏が5人目となります。
国務総理在任中は、韓米FTA＝自由貿易協定の基盤をつくり、李明博（イ・ミョンバク）政権ではアメリカ駐在韓国大使を務めています。