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ライフスタイル

第697話 「65才以上は地下鉄無料」、見直すべきか否か

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-02-28

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News公共交通手段の料金引き上げが争点となっている中、「65才以上が地下鉄を無料で乗る制度」を見直すべきではないかとの声が上がっています。高齢化社会になり、65才以上の人たちの数が増えているので、ただでさえ赤字が膨れ上がっている地下鉄で、もはやこの人たちを無料で乗せることはできないのではないかという意見です。


高齢者が地下鉄に無料で乗れる制度は、1984年6月からこれまで続いてきました。ただ、それより前、1980年は、70才以上の男女に料金を50%割引する方式の優遇措置があり、その翌年、半額の対象となる年齢が引き下げられ、65才以上となりました。それが、1984年、当時のチョン・ドゥファン大統領の指示で、65才以上は料金無料となり、今に至っています。


「65才以上地下鉄無料乗車」についての議論は実は今に始まったものではありません。地下鉄の赤字の問題が取り沙汰されるようになってからは、赤字を抱えてまで無料乗車制度を維持するのが妥当なことなのかについての議論が絶えず行われてきました。しかしこうした議論が持ち上がるたびに高齢者層の強い反発に遭い、制度の見直しには至りませんでした。今年は年頭からオ・セフンソウル市長やホン・ジュンピョ大邱(テグ)市長など各自治体の首長が、地下鉄の赤字を減らすための解決策の一つとして、この65才無料乗車制度の見直しに言及していますが、依然として反発は強いです。


大韓老人会のキム・ホイル会長は、2月16日に国会で開かれた、この問題についての政策討論会で、「空いた電車に高齢者が乗ったからといって電気代がもっとかかるわけではないだろう」として、「高齢者が無料で乗ることが地下鉄の赤字につながることはありえない」と主張しました。さらに、「電車に乗って乗り換えたり歩いたりしていると、老人も1万歩は歩くことになる。そのため、高齢者対象の医療費が3000~4000憶ウォン節約できたという研究結果もある」として、「誰もがいつかは老人になる社会で、高齢者に対する福祉は国民全員に対する福祉の問題だ。国が地下鉄の赤字を埋めるべきだ」としました。


この討論会で、オ・セフンソウル市長は、「無料乗車制度を導入した当時、ソウルの65才以上の人口の割合は3.8%だったが、いまは17.4%に達している」として、「いま議論をしなければ、未来の世代が大きな負担を背負うことになる」と述べ、この制度の見直しを議論すべきだとしました。ソウル交通公社によりますと、2021年の当期純損失が9644憶ウォンで、このうち無料乗車による損失は2784憶ウォン、全体の30%ほどを占めているということです。ちなみに、時事雑誌の「時事ジャーナル」が世論調査機関に依頼し、2月20日と21日の両日、全国の成人男女1006人を対象に、この制度についてのアンケート調査を行ったところ、「制度を変更あるいは廃止すべき」という意見が67.2%で、「維持すべき」の31.3%を大きく上回りました。また、変更するなら、「70才以上無料にする」という回答が46.3%で、最多でした。

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