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ライフスタイル

生態系と野良猫―韓国と日本

2023-03-01

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

日本で今公開されているという韓国映画「猫たちのアパートメント」は解体されるマンモス団地で暮らす野良猫250匹を引越しさせるという話ですが、今回は生態系を乱すという理由から野良猫が島を追い出されるという今、韓国最南端の島、馬羅島(マラド)で起きている話です。

馬羅島で暮らす野良猫は100匹あまり、この猫たちが生態系をかく乱しているとされ島から追い出されようとしています。韓国文化財庁などは今月17日、第2回協議体会議を開いて絶滅危惧種のカンムリウミスズメをはじめ200種余りの渡り鳥を保護するためにネコを一括搬出することに決めました。これに対して動物保護団体は反対の立場を表明、反対運動を繰り広げています。

この問題に関して中央日報が詳しい記事を掲載しています。まず、「本当に猫が馬羅島の生態系を破壊する主犯なのだろうか」と言う点です。2019年に発表された論文「馬羅島のカンムリウミスズメ個体群保全のためのネコの棲息現況と行動圏および生存能力の分析」によれば、2018年調査の結果、馬羅島ネコ20匹によって犠牲になったカンムリウミスズメは24羽と推算されました。研究チームはこれを根拠にネコ成体一匹が毎年1.2羽のカンムリウミスズメを捕食すると推定しています。

では「猫を追い出せば生態系は回復するのでしょうか」カンムリウミスズメの生存を脅かしているのはネコだけではありません。カンムリウミスズメの天敵はタカ、ネコ、ネズミなどです。毎年馬羅島にやってくる約500羽のカンムリウミスズメは昼間はタカの目を避けて島の周囲を飛び回り、暗くなってから島の平地に降り立ち、夜間に巣に移動します。この時、ネズミなどによって卵を捕食されることがあります。つまりカンムリウミスズメを守るにはネコの個体数を減らすと同時にネズミ問題も解決しなければなりません。島の住民もネズミに関しては「絶滅危惧種を保護しなければならないのは理解できるものの、ネコがいなくなればネズミがまたうるさくなるのではないか心配」だと話しています。

文化財庁は現在まで住民が引き取る意思を明らかにした個体数は10匹余りで、搬出対象は70匹余りになると把握しています。島の人々は野良猫の一部をさらに引き取ることを考慮していると言われます。では島を追い出された猫はどうなるのでしょう。済州大学動物病院で健康診断を受け、その後管轄の動物保護所へ移管されます。動物保護所はそれぞれ救助動物に対する里親探しを行った後、一定時間が経過すると安楽死させます。

ネコが生態系を乱すという問題は日本でも起きていました。それも東京の南1,000Kmに位置する小笠原諸島でです。2005年春、母島の海鳥繁殖地が野生化したネコによって消滅寸前であることが分かりました。同じ年の冬、小笠原諸島にのみ、それも数十羽だけ生息しているといわれているアカガシラカラスバトの繁殖地でも、野生化したネコが目撃されました。そのため、有志と多くの行政機関の協力を得てネコの捕獲が始まりました。では捕まえた猫をどうするか。捕まえたネコの安楽死の方法を東京都獣医師会に相談したところ、「野生動物は小笠原でしか生きられないけれど、ネコは都会でも幸せになれるはず。どちらの命も救いましょう」 と、ネコの東京搬送が始まりました。 小笠原から東京へです。この活動は10年以上が過ぎた今、小笠原の生態系で海鳥の繁殖地の復活が見られるようになりました。ただ猫の繁殖サイクルは早いので山の中の野生化した猫をゼロにしない限り小笠原で暮らす野生動物の危機は解消されないとも言われます。この小笠原諸島の野生化した猫を捕獲して東京の獣医へと運ぶプロジェクトは本にもなり広く紹介されています。


野良猫は韓国でも日本でも生態系を乱す悪者とされているようです。結局は家ネコとして家で育ててあげるのが、猫にとっても自然界にとっても一番のようです。

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