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ライフスタイル

第680話 アメリカで新設されたKPOP部門賞について

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-11-08

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

世界アメリカ3大音楽賞の1つ、アメリカン・ミュージック・アワード(AMA)が、「フェイバリットK-POPアーティスト」という、KPOPのための部門を新設しました。新設された最初の年となる今年、この部門には、アメリカンミュージックアワードで5年連続で受賞しているBTSの他にも、BLACKPINK、TWICE、SEVENTEEN、TOMORROW X TOGETHERがノミネートされています。


アメリカン・ミュージック・アワードは、音楽のジャンル別に、ポップス、カントリー、ヒップホップ、R&B、ラテン、ロック、ゴスペル、ダンス・エレクトロニックなどに分けて賞を授与してきました。そこにKPOP部門が新設されたということは、メジャーな授賞式で、KPOPが一つのジャンルとして認められたという意味になります。アメリカ最大の音楽週刊誌、ビルボードは、「KPOPのための画期的な措置」だと伝えています。実際、この部門にノミネートされたKPOPのグループがアメリカン・ミュージック・アワードのレッドカーペットを歩くことになり、栄えある授賞式に勢ぞろいした韓国のアーティストたちを見るだけでも、ファンでなくても誇らしい気持ちになると思います。


ちなみにBTSが初めてこの授賞式に出演したのは2017年。このときはノミネートされたのではなく、パフォーマンスを披露したのですが、その翌年の2018年からは毎年賞を手にしており、特に去年は、大賞に当たる「今年のアーティスト賞」を受賞しました。今年は、「フェイバリットK-POPアーティスト」と「フェイバリットポップデュオorグループ」の2つの部門にノミネートされています。


ところが、このKPOP部門の新設には、実は意見が分かれているようです。他の音楽賞とは違いアメリカン・ミュージック・アワードは、ファンの投票によって受賞者が決まるのが特徴です。KPOP部門の新設は、ファンの団結力の強いKPOPのアーティストたちを別途に切り離して競争させることになり、そうなるとメジャーな部門の賞は、KPOPアーティストが受賞しにくくなるのではないか、という懸念の声も上がっています。実際、新設されたKPOP部門にノミネートされたグループのうち、主要な賞の候補に挙がっているのはBTSだけです。BLACKPINKはアメリカのビルボードのアルバムチャートで今年9月に1位になっていますが、KPOP部門の候補になっているだけです。


それにどういう音楽をKPOPと呼び、どんなアーティストがKPOPアーティストなのか、その基準があいまいになっているという現状もあります。韓国の事務所が海外でデビューさせるグループが増えていますし、それにメンバー全員が日本人のガールズグループNiziUの例もあります。


アメリカのアカデミー賞が、1950年代から急激に人気が高まった海外の映画に配慮して、英語以外の言語の映画を対象にした外国語映画賞を新設したのが1956年ですが、1956年から1995年まで、作品賞の候補に挙がった外国語映画は3作だけだったといいます。一つの枠に組み入れられることで、主要賞に向けた競争が事前に封じ込められてしまうとして、批判も少なくなかったそうです。新設されたKPOP部門賞が本当はどういうものなのか、年を重ねるにつれ、だんだんと明らかになっていくのではないでしょうか。アメリカン・ミュージック・アワード2022は、11月20日に開催されます。

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