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ライフスタイル

第669話 ミリタリーコンテンツの人気が急上昇

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-08-23

玄海灘に立つ虹

ⓒ studio_jangbbijju, ENA

芸能人が一定期間兵営で寝泊まりしながら一般の訓練兵と一緒に訓練を受けるというMBCのリアリティ番組『真の男』(2013~2016)で火が付いた軍隊関連のコンテンツは、現在ではコンテンツ市場の重要なキーワードに浮上しています。リアリティ番組だけでなく、映画やドラマでも軍隊を素材にした作品を多数観ることができるようになりました。


なかでも最近注目されているのは、KTスタジオジニーのウェブドラマ『新兵』です。新たに入隊してきた兵士が、実は陸軍将軍を父親に持つ、いわば軍隊のサラブレッドだったことで、この新兵を中心に繰り広げられる軍隊内でのエピソードが描かれています。


7月から放送が始まったこのドラマは、2019年に制作された同じタイトルのアニメ―ションが原作の、シーズン物で、現在も毎月第一週の木曜日にアップロードされています。2019年に連載されたシーズン1を最初から最後まで一挙に観れるサービスの再生回数が8月16日の時点で1600万を記録しているほどの人気アニメが原作です。原作のアニメは、CJ ENMが発表した、8月第一週(8月1日~7日)のコンテンツ影響力指数で、大人気ドラマ『おかしな弁護士ウ・ヨンウ(邦題:ウ・ヨンウ弁護士は天才肌)』に次いで2位となっています。


『新兵』は、軍隊という特殊な組織が素材となっていますが、特に男性にばかり人気があるというわけではなく、若い女性からも高い支持を得ており、早くもシーズン2を待ち望む声があるほどです。軍隊という組織の考証がしっかりしているので、兵役を終えた男性は、良くも悪くも自らの軍隊での日々を思い出し、思い出に浸ることができます。女性の場合は、作品自体が持つリアルなストーリー展開と個性豊かなキャラクターを楽しんでいるということです。


軍隊という素材がネット上のコンテンツとしてブレークしたのは『偽の男』(2020)が最初の作品でしょう。インターネット放送をメインに活躍する男性たちが、海軍の特殊戦力団の訓練を体験する内容でした。特殊部隊の教官たちが容赦なく、実際の特殊部隊と同じ訓練をさせ、出演者の男性たちを肉体的、精神的にぎりぎりまで追い込む姿が描かれ、罵詈雑言が飛び交うタフな番組で、そのリアルさと、出演した人たちの背景にあるストーリーが感動を呼ぶなどで、ちょっとしたブームになりました。


その流れを汲んでいると言える『新兵』は、7月に第一話が公開されてからひと月の間で400万回近い再生件数を記録し、特殊部隊に対する社会的な関心を呼び起こしました。また、去年第1シーズンが始まった、ケーブル系(チャンネルA)の『鋼鉄部隊』は、当初の予定は16部作でしたが、最高視聴率6.8%と好評だったことから、3回分延長されて放送されました。陸軍特殊戦司令部や海兵隊の捜索隊などの特殊部隊が、互いに名誉を賭けて戦闘遂行能力を競い合う内容でした。『鋼鉄部隊2』が今年2月から5月にかけて放送されています。 

去年8月に公開された、ネットフリックスオリジナルドラマの『D.P.(邦題:D.P. -脱走兵追跡官-)』も、韓国陸軍憲兵隊の軍離脱逮捕組が脱走兵を追跡する様子をリアルに描き、国防部が困惑したほどの話題作となりました。


また、軍隊でサッカーをするバラエティ番組も話題になっています。タイトルは『グンデスリーガ』(tvN)。韓国語で軍隊を意味する「グンデ」と、ドイツのプロサッカーリーグのトップデビジョンであるブンデスリーガを組み合わせた造語です。韓国代表を務めた元選手たちと、軍人たちとがサッカーで対決する内容です。


軍隊内部でも、社会のこうした動きに応える形で、陸、海、空軍は、それぞれ、軍を広報するためのウェブドラマの制作に乗り出しました。大衆文化評論家のハ・ジェグンさんは、「若い世代にとっては軍隊という集団は特殊で異質的なものになっている」とした上で、「特に、納得できない、不条理な出来事が多かった以前の軍隊での姿がかなり刺激的に映り、それがミリタリーコンテンツの人気につながっている」と分析しています。

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