文化体育観光部は、青少年のゲーム中毒を予防するため、保護者が満18歳未満の子どものオンラインゲーム利用時間を制限できる「ゲーム時間選択制」を7月1日から実施すると発表しました。
この制度が実施されれば、保護者はゲームサイトにアクセスし、子どものゲーム利用時間を制限することができるようになります。
また、18歳未満の青少年がゲームサイトに会員として加入するには、保護者の同意を必ず得なければならず、親の承諾がなければ加入が認められません。すでに会員として加入している場合も、保護者が要請すれば加入を撤回することができるようになります。
さらに、ゲーム業者は、現在利用中のゲームの性格や対象年齢、料金政策などゲームに関する基本的な情報や、利用時間、決済情報などを本人と保護者に携帯電話の文字メッセージや電子メールで知らせることが義務付けられます。
この制度は、保護者がゲーム文化財団が運営するゲーム利用確認サイト(www.gamecheck.org)で、本人または子どもの名義で加入しているゲームのリストを確認した後、各ゲーム会社のホームページに入り、子どもが利用可能なゲームや、利用時間帯などを設定する仕組みになっています。
ゲーム時間選択制は、600余りあるオンラインゲームのうち、「サドンアタック」や「リネージュ」など、青少年が主に利用する100以上のオンラインゲームに適用され、中小企業が直接サービスするゲームなどはこの制度の適用を受けません。
一方、ソニーなど、海外のゲーム会社は、韓国のゲーム時間選択制のために、世界各国で提供しているサービス全体を修正することは難しいことから、韓国向けサービスを一時中断する方針だということです。
ゲーム時間選択制は、青少年がゲーム中毒になるのを防ぐことにその狙いがあります。
ゲーム中毒は、深刻な精神的・身体的弊害をもたらす、麻薬中毒に例えられるほど深刻な現象です。長時間ゲームに没頭するため、栄養不足、不眠症、体力と視力の低下、記憶力の低下、首椎間板ヘルニア、手首の痛みなど、様々な症状をもたらし、精神的にも、偏執症、現実逃避、暴力性などの弊害をもたらします。
このほど、首都圏の中・高校生を対象に行った調査では、40%以上がゲーム中毒症状を見せたという衝撃的な結果が示されました。このうち39%は初期症状でしたが、3%は重度の症状だったということです。
さらに、ゲーム中毒は、最近深刻な社会問題となっている学校内暴力の原因ともされています。政府が青少年のゲーム中毒の予防に力を入れているのもこうした理由からです。
しかし、この制度をめぐっては、反対の声も上がっています。
まず、いくら保護者でも、子どもの意思を完全に無視することはできないため、実際にこの制度によってゲーム時間を制限するのは容易ではないとして、実効性を疑問視する声があります。
また、すでに深夜のゲームを制限する「シャットダウン制度」が実施されているなかで、ゲーム時間選択制を新たに施行するのは、重複規制に当るという指摘も出ています。