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文化

「ゴゴチョンビョン」ほか

#国楽の世界へ l 2022-12-19

国楽の世界へ

「ゴゴチョンビョン」ほか

韓国の伝統芸能パンソリ、「水宮歌(スグンガ)」は、カメが竜王の病気を治すためにウサギの肝を探しに出かける内容です。カメが初めて陸地に出たときの様子を歌ったのが、「ゴゴチョンビョン」という曲です。カメが陸地に出るということは、人間が宇宙に行くように、怖いけれど、ワクワクすることだったでしょう。ちょうど海の水面から頭を突き出したときは、遠くから太陽は昇っていました。カメは生まれてはじめて太陽を見て、どのように感じたのでしょうか。水宮歌では、この太陽を、空にある赤い車輪のような形の太陽と表現しています。太陽が昇ると、海辺の村の平和な風景も目に入ってきます。「ゴゴチョンビョン」という曲は、短歌(ダンガ、たんか)やカヤグム併唱(ビョンチャン、へいそう)でもよく演奏します。今日は、この「ゴゴチョンビョン」という曲を、キム・イリュンさんとスクミョンカヤグム演奏団の演奏でお楽しみください。


今週の木曜日は、一年の中で一番夜が長いという冬至です。一年の中で夜が最も長いということは、言い換えると、冬至が過ぎたら再び昼が長くなるということでもあります。そのため、昔の人々は、冬至を新しい一年の始まりと見なし、「小さいお正月」ともいいました。国ではこの時期に新しいカレンダーを配布したものです。お正月のソルナルにトックという料理を食べるように、冬至には小豆粥を食べました。紅い色の小豆が鬼神を追い払う力があると信じ、家の中の所々に小豆粥をこぼすこともありました。暗闇と共に悪い気運を追い払い、新しい希望を迎えたいという気持ちの表現だと思います。今度は、ユン・トンジュ詩人の詩を歌にした、「早朝がくるまで」という曲です。韓国にとって一番暗闇のような時期だった、日本植民地時代、未来に対する希望を抱こうとした詩人の気持ちが分かる作品です。それでは、バヌンジョムの歌と演奏で、「새벽이 올 때까지、早朝がくるまで」という曲です。


日が昇る直前が一番暗いといいます。私たちの人生もそれと同じだと思います。誰でも辛い時期を経験するものですが、それを変えられる転換点は、いつも一番大変な時に訪れてくるような気がします。韓国の伝統芸能パンソリ「フンボの歌」では、僧侶が現れてお金持ちになる家の敷地を教えてくれる場面があります。その直前、フンボの夫婦は、あまりにも貧しかったので、食べ物を探し大変な苦労をしたものです。仮に、そんな状況でなかったなら、僧侶が敷地を教えてくれたとしても、敢えて引っ越すことはなかったかもしれません。今日の最後は、キム・スヨンさんの歌とキム・チョンマンさんの太鼓で、「흥보가 중 중타령~ 집터 잡는 대목、フンボの歌のうち、僧侶のタリョン、敷地を決める場面」という曲をお楽しみください。最近、世界的に経済が不安定で、大変な方が多いといいます。どんなに夜が長くても太陽は昇るものなので、希望を持って力を出したいものです。

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