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文化

「景福宮タリョン」ほか

#国楽の世界へ l 2022-10-24

国楽の世界へ

「景福宮タリョン」ほか

韓国を訪問する外国人観光客が必ず訪れる場所のひとつが、朝鮮王朝の王宮、景福宮(キョンボックン)です。当時の威厳と文化が感じられる場所です。ドラマの中の主人公のように、韓服(ハンボク)を着て歩いてみることもできます。また、朝鮮王朝実録を根拠に再現した、守門将(スムンジャン)交代儀式は、昔の王宮の文化を身近で見て聞いて感じられます。景福宮は、1392年、朝鮮建国の後に建てられた宮です。しかし、朝鮮時代中期に、壬辰倭乱(じんしんわらん・文禄・慶長の役)で焼けてしまい、しばらく廃虚となっていました。そして、朝鮮時代末になってから、興宣大院君(フンソンテウォングン)が国と王室の威厳のために、景福宮を再建することにしたのです。景福宮を建てるために、全国から多くの民が動員されました。そのときできた民謡に、「景福宮タリョン」という曲があります。この曲の歌詞には、1865年の4月が出てきます。4月は農村で田植えを始める時期で、一番忙しいときです。そんな時期に農作もできず、家族と故郷を去って再建の作業に参加したのです。動員された民は、心も体も疲れていたはずです。この曲は、外面では景福宮の再建を祝っているように見えますが、民の恨みも歌っているんです。今日は、まず、チェ・スヨンさんの歌と二番目の月の演奏で、「景福宮タリョン」という曲です。


国楽には、「タリョン」という言葉が付いた歌がたくさんあります。「焼き栗のタリョン」、「鳥のタリョン」、「チャンブタリョン」、「梅花のタリョン」、「木のタリョン」など、数え切れないほどです。あるテーマの下で、多様なストーリーを解釈する歌を、タリョンといいます。器楽曲にも「タリョン」が入る題目の曲がありますが、これは、タリョンの拍子で演奏する音楽だという意味です。タリョンの拍子は、ひとつが十二の拍子で構成されます。比較的、軽く賑やかな感じを出したいとき、このタリョンの拍子を演奏します。今度は、イ・セファンさん他のコムンゴの演奏で、「영산회상 중 타령、霊山会相(ヨンサンフェサン)のうち、タリョン」という曲をお楽しみください。


韓国では、日常の生活の中でも、「タリョン」という言葉をよく使います。「うちの子はいつもご飯のタリョンだ」とか、「うちのお母さんはいつも勉強のタリョンだ」などというふうに使われます。ここでいう「タリョン」は、同じことを繰り返して話すことを意味します。同じことを繰り返すとあまり面白くないかも知れませんが、「お金のタリョン」であれば、いくら聞いても飽きないかも知れません。パンソリ、「フンボの歌」では、貧しいフンボの夫婦が、ツバメが運んできたヒョウタンの種のおかげでお金持ちになるお話があります。大きくなったヒョウタンを割ってみると、中から箱が二つ出てきました。ひとつにはお金がぎっしり詰まっていて、もうひとつにはお米がいっぱいです。今日の最後は、キム・ソヒさんの歌で、「판소리 흥보가 중 박타령, 돈타령、パンソリ、フンボの歌のうち、ヒョウタンのタリョン、お金のタリョン」という曲をお楽しみください。ヒョウタンから出てきた箱は、お金とお米を取り出すと、またいっぱいになるという不思議なものでした。フンボの夫婦は嬉しさのあまり、この歌を歌ったようです。

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