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文化

「秋月満庭」ほか

#国楽の世界へ l 2022-09-05

国楽の世界へ

「秋月満庭」ほか

今週の金曜日から、韓国では秋夕(チュソク)の連休がはじまります。秋夕は旧暦の8月15日で、旧正月と並ぶ韓国の名節です。新型コロナウィルスの影響で、数年間、秋夕にも名節の気分は味わえませんでした。遠くにお住まいの方々は、名節になると故郷の家族を想うでしょう。伝統芸能パンソリ、「シムチョンの歌」にも、秋空を眺めながら家族を想う場面があります。「シムチョンの歌」は、親孝行なシムチョンが父の目を治すために自分を犠牲にするお話です。シムチョンは海のいけにえになりますが、その後、お花の中で生まれ変わり、皇后になります。皇后になったシムチョンは、秋の日の夜、空の鳥の群れを見て父のことを想いました。空を飛ぶカリに手紙を書いて渡し、父に届けてもらおうと思ったのです。すぐに部屋に入って手紙を書くのですが、涙で文字がにじんでしまいます。それでもカリに手紙を渡そうと庭に出ると、カリはもう去ってしまい、月だけがあります。この内容を歌にしたのが、「秋月満庭(チュウォルマンジョン)」という曲です。ソン・チャンスンさんの歌でお聴きください。


父は娘が亡くなったと思い悲しんでいるはずなのに、自分は皇后になってからも父に会いに行けないことに対する悲痛な気持ちが感じられます。今度は、漢詩を歌にした、詩唱(シチャン)というジャンルです。「關山戎馬(クァンサンユンマ)」は、朝鮮時代後期、シン・クァンスさんの詩の題目であり、また、その詩を歌にした、歌の題目でもあります。中国の詩人杜甫が作った、「登岳陽樓」という詩をモチーブにしたのが、「關山戎馬」です。秋になり川のお魚さえも冷え込んでいる中、西風が吹く楼閣に立っている人がいる、という内容です。それでは、イ・ヒョンアさんの歌で、「詩唱、關山戎馬」という曲をお楽しみください。


昔は、村の守護神がいるとされた、「タンサン」という場所がありました。名前のように山である場合もありますし、タンサンの木といって、大きな木がその役割をすることもありました。名節になると人々がタンサンに集まり、祭祀を捧げ、儀式の後には遊び楽しんだものです。そのとき歌ったのが、「タンサンプリ」という曲です。今日の最後は、チョ・サンヨンさんの歌で、「タンサンプリ」という曲をお楽しみください。昔の人々は、家の中にも色んな神がいると信じました。同じように、村を守るタンサンの神も、たくさんいると信じたようです。この曲では、村を守る神々を次々と呼び集め、厄払いをして、祝福する内容の歌詞を歌っています。

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