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文化

「チョンソンアラリ」ほか

#国楽の世界へ l 2022-07-18

国楽の世界へ

「チョンソンアラリ」ほか

韓国の多様な「アリラン」の中で、最も古い曲は「チョンソンアリラン」です。高麗時代の忠臣のお話です。昔の学者ソンビは、忠誠な臣下は二人の王様に仕えないものだと思いました。ところが、高麗が滅び朝鮮の建国を迎えたのです。朝鮮時代の始まりを心で受け入れることはできず、だからといって命をあきらめる訳にもいきませんでした。そんな高麗のソンビは、世俗から離れ隠れて暮らす方法を選択することにします。その中に、江原道(カンウォンド)チョンソンの深い山の中で生活した人々がいました。チョンソンは、今でも深い山奥ですが、高麗時代にはなおさらでした。山の中で山菜を取って食べて生活することくらいは、自らの選択なので我慢できます。でも、故郷にいる家族に会いたい気持ちは耐えがたいものでした。それで、その気持ちを詩にして謳ったのです。それが民間に広まったのが、「チョンソンアリラン」になったとのことです。深いため息をするように寂しく歌う「チョンソンアリラン」を聴くと、その事情が理解できるような気もします。以前は、「チョンソンアラリ」という曲名で知られていました。今日の最初は、キム・ビョンギさん、パク・キョンウォンさんの歌で、「チョンソンアラリ」という曲をお楽しみください。


チョンソンには、アウラジという渡し場を間にはさんで、「ヨランリ」と「ユチョンリ」という村がありました。その村に住む若い男女が付き合ったいましたが、ある日洪水になり会えなくなったようです。それで、空を恨んで歌ったのが、「チョンソンアラリ」になったということです。歌の起源がどんなストーリーかということより、チョンソンの人々はいつもこの曲を歌いました。たきぎを集めるときも、山菜を取るときも歌いました。山奥で畑仕事をする人々は、この曲を歌いあって、お互いが猛獣の被害には遭っていないかと確認をしあったそうです。この「アラリ」を、最近は「チョンソンアリラン」というので、京畿(キョンギ)民謡の歌い手が歌う「チョンソンアリラン」と同じ曲だと思うことがあります。ところが、京畿民謡の歌い手が歌う「チョンソンアリラン」は、もともとの「アラリ」の中からユーモラスな内容を早いテンポで歌う曲を元にしています。今度は、京畿民謡のバージョンの「チョンソンアリラン」を、ソン・ソヒさんの歌でお楽しみください。


今度は、ロックバージョンの「チョンソンアリラン」です。2018年2月、チョンソンから少し離れたピョンチャンという地域で、冬季オリンピックが開催されました。開会式と閉会式の音楽監督は、作曲家のヤン・バンオンさんが担当しました。彼はオリンピックが開かれる前、「チョンソンアリラン」をモチーフにした変奏曲のレコードを出しました。このレコードには、ソン・ソヒさんをはじめ、バンド、ボーカル、バイオリン、ギターなどが参加し、個性のある音楽を作りました。今日はその中で、ハ・ヒョンウさんが歌う「チョンソンアリラン」という曲をお楽しみください。名曲は、歌い方が変わっても名曲のようです。今日の最初にお聴きになった昔のバージョンのアリランとはまた違う雰囲気で、私たちの心に感動を与える曲でした。

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