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文化

「ダルハ、ノピゴム、ドダシャ」ほか

#国楽の世界へ l 2022-07-11

国楽の世界へ

「ダルハ、ノピゴム、ドダシャ」ほか

韓国語で記録された歌の中で一番古いものは、「公無渡河歌(コンムドハガ)」という曲です。中国の文献に、2世紀末の頃に作られた古朝鮮の歌だと記録されています。国は滅亡しても、歌は200年以上歌われ、中国の文献に漢文で記録されたのです。百済の「井邑詞(チョンウプサ)」という曲は、朝鮮時代にハングルが作られた後に記録されました。月が高いところまで昇り、遠くまで照らしてください、という内容の歌詞の歌です。全洲(チョンジュ)という地域の付近に住んでいた女性は、夫の帰りを待っていました。夜遅くまで戻らないので、夫が無事に帰ってこれるよう、月にお願いをするという内容です。この内容をモダンに作り変えた歌があります。今日の最初は、この歌、「ダルハ、ノピゴム、ドダシャ」という曲を、ウン・ヒジンさんの歌でお聴きください。


現代は、いつでも携帯電話で連絡が取り合えますが、家族が遅くまで帰ってこないのは心配です。電気もなく野生動物も多かった時代には、なおさら心配だったはずです。この歌は高麗時代の500年を経て、朝鮮時代にまで伝わりました。高麗時代には宮中でも歌われたようです。朝鮮時代初期、世宗(セジョン)大王がハングルを作ってから、韓国語で記録されました。しかし、朝鮮時代中期が過ぎると歌は無くなり、伴奏音楽だけが演奏曲として伝わっています。この曲を、「寿斉天(スゼチョン)」といいます。長寿を願う意味が込められています。「寿斉天」は、太鼓を真ん中に置いて踊ったり、新羅時代を起源とする「チョヨンム」という曲を演奏するとき、そして、皇太子が出かけるときなどに演奏したそうです。ピリ、テグム、ヘグム、アジェン、ソグムのような管楽器で演奏します。最初は全ての楽器で共に演奏し、笛ピリの演奏が止まると、残りの楽器が演奏するなど、まるで対話をするかのような形の曲です。このように演奏することを、連音形式といいます。それでは、国立国楽院、正楽団の演奏で、「寿斉天」という曲をお楽しみください。


最近の流行りの歌謡曲に比べるとゆっくりの曲です。初めて聴くと、喜びや悲しみなどの喜怒哀楽の感情が感じられず、不思議に思うかもしれません。昔の学者ソンビは、音楽が人の心を調和させるものだと信じました。あまりにも悲しかったり楽しい音楽は、正しい音楽ではないと思ったものです。楽しくても乱雑でなく、悲しくても悲惨な感じがしない、聴いていると心が穏やかになる音楽が望ましいものだと思いました。今度は、最近の大衆音楽のミュージシャンが「寿斉天」をテーマにして作った音楽をご紹介いたします。ソウルピストルズの歌で、「寿斉天」という曲をお楽しみください。新型コロナウィルスが真っ最中だった2021年、ビートボックスが国民の健康を祈願して作った曲です。パンデミックの中にいた国民の願いを、「井邑詞(チョンウプサ)」の歌詞に表現した音楽です。

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