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文化

村上春樹に答える-パン・ミノ

2022-07-05

ⓒ Getty Images Bank

私はその年の冬、新村ロータリーの木馬レコード店の前で

キム・ヒョンシクが歌う「愛してました」を聞いていた。


1989年と1990年にまたがった冬から、

1990年と1991年にまたがる冬まで、

私は喪失の時代を送っていた。


息が通うだけで、生きていると言えない私は、

キム・ヒョンシクの歌が廃水のように流れる

新村の路地裏の下宿に隠れて春樹を読んでいた。  



「一昨日、韓国から来ました。あなたに会いに」


いぶかしげな春樹の顔には、

本当に私に会いにここまで来たのか?いったい何のために?

という疑問が浮かんでいた。


私は少しでも時間を遅らせたかった。

言いたいことがあるわけではなかった。

春樹に本を差し出した瞬間、私ははっきりと悟った。

春樹であっても、自分が私に投げかけた質問に対する解答は

持っていないということを。


“저는 그저께 한국에서 왔습니다.  당신을 만나려고”


무엇인가 의아스럽다는 하루키의 표정에는,

정말로 나를 보려고 왔단 말이오?  무엇 때문에? 라는 물음이 담겨 있었다.


나는 조금이라도 더 지체하고 싶었다.

무슨 할 말이 따로 있는 것은 아니었다.

아니, 하루키에게 책을 내밀던 바로 그 순간 나는 분명히 알아차렸으니,

그게 무엇이냐고 누군가 내게 묻는다면...

그것은 하루키라 해도 자신이 내게 던져놓은 질문에 대한

해답을 가지고 있지는 않으리라는 사실이다.



#インタビュー:文芸評論家 チョン・ソヨンさん

主人公は長い間、村上春樹を通して自分の内面の問題について考えてきました。そして、自分なりに救われる道を見つけ出したのです。主人公が春樹に会いにいったのは、春樹の答えを聞くためではなく、内面の問題と向き合い、自分なりの答えを見つけ出すための道程なのです。映画「ファミリーツリー」と重ねてみると、主人公が出した答えは、自分なりの倫理感にもとづいた共同体の調和を実現することだと考えることができます。主人公はその決心を忘れないためにそれを小説に残しています。そして、これは、作者の文学論でもあるのです。



私は私自身を売らないことに決めた。

人には対立する一対の遺伝子がある。

一つはひたすら自分だけのために生きようとする。

もう一つは他人を思いやり、共に生きようとする。

前者はいつも後者より優れている。

しかし、後者、共に生きようとする遺伝子も決して自分を失わない。

私も本性から利己的な人間の運命から逃れることはできないだろう。

私も利己的な遺伝子によって動く人間でしかなく、

本当の自分を知らない存在でしかない。

最後まで見つけ出せなかった春樹の文章のように、

私は自分自身について錯覚したまま生きていくのかも知れない。


나는 나 자신을 팔지 않겠다고 결정했다.

사람에게는 두 개의 대립하는 유전자 쌍이 있다.

하나는 오로지 자기 자신만을 위해 살도록 한다.

다른 하나는 타인을 생각하며 살도록 한다.

전자는 늘 후자보다 우월하다.

하지만 그것이 유전자인 한 후자 또한 자기를 버리지 못한다.

나도 본성에서부터 이기적인 인간의 운명에서 벗어날 수 없다.

나 또한 이기적 유전자에 의해 작동되는 인간일 수밖에 없고,

그러한 자기 자신을 바로 보지 못하는 착각적 존재일 수밖에 없다.

끝내 찾지 못한 하루키의 문장처럼 나는 나 자신을 착각하며 살아가는지도 모른다. 




作家:パン・ミノ (1965.06.10.~、忠清南道礼山郡生まれ ) 

   デビュー:1994年 「創作と批評」第1回新人評論賞 

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