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文化

「サシレンイの歌」ほか

#国楽の世界へ l 2022-05-16

国楽の世界へ

「サシレンイの歌」ほか

遊びとばくちの違いは、その目的が何かによって区分できます。親睦を図るためのものであれば遊び、お金が目的であれば同じ遊びだとしても、ばくちと言えます。韓国では名節になると、親戚が集まって花札遊びのひとつ、「ゴーストップ」を楽しみました。また、仕事の合間に楽しむ遊びのひとつに、「サシレンイ」というものがあります。数人の人が集まって座り、昔の銭、ヨプジョンというものの数字を合わせる遊びです。1から10の数字が書いてあるヨプジョンを使い、他の人が持っていないと思う数字を出して、その数字の歌を歌うのです。例えば、5の数字のヨプジョンを出すときは、五親等の間柄を指す、「オチョン」という単語を使い、「オチョンが集まって畑を買い占めた」と歌います。すると、相手も歌で攻撃をするという遊びです。今では遊びそのものは無くなり、歌だけが伝わっているんです。今日の最初は、江原道(カンウォンド)地方の歌を最近の若者が親しみやすい形で再構成した歌です。シンシンの歌で、「サシレンイの歌、사시랭이 소리」という曲をお楽しみください。


サシレンイ」よりもっとよく知られていた遊びに、「トゥジョン」というものがあります。ヨプジョンの代わりに、絵や数字が書かれた紙を用いた遊びです。このトゥジョンは、25枚、または、80枚の紙を使い、上流階層から一般の民に至るまで、身分や年齢を問わず楽しんだ遊びだそうです。特に、お葬式のとき、みんなで集まってこの遊びを楽しんだものです。昔の絵を見ると、トゥジョンを楽しむ様子を描いた作品がよくあります。実は、現代の韓国語には、「トゥジョン」の遊びで使われていた言葉が残っているんです。例えば、「チャンテン」という言葉があります。「お金持ちであればチャンテンなのか」、または、「綺麗であればチャンテンなのか」などという表現があります。お金持ちや綺麗であれば、それで勝ちだというのか、それで良しということなのか、などという意味で使われます。この「チャンテン」は、十点の札を二枚揃えることを意味します。今度ご紹介する「トゥジョン」の歌でも、やはり数字が出てきます。昔の歌を新しく編曲したバージョンの歌、「トゥジョンプリ」という曲を、イェキョルさんの歌でお楽しみください。


地域で開かれる市場の特徴を歌う「チャンタリョン」という曲にも、数字の内容があります。市場では、ホームレスが歌を歌って物乞いをすることがよくありました。そのような歌を、「ガクソリタリョン」と言います。最近は市場が開かれることも少なくなり、物乞いをするホームレスが歌を歌うのも見かけなくなりました。今では、「チャンタリョン」と「ガクソリタリョン」を区分せず、全て「チャンタリョン」ということが多くなっています。ホームレスが歌っていた「チャンタリョン」には数字がよく出るのですが、これは「トゥジョン」から由来したものだそうです。今日の最後は、キム・ヨンウさんの歌で、「チャンタリョン」という曲をお楽しみください。この歌では、数字だけでなく、季節の歌詞を数字と結び付けて歌っています。「チャンタリョン」は市場の商人やホームレスなど色んな人が歌っていた曲なので、親しみやすく、興が湧く音楽であったといいます。

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